>> あとがき

こんにちは、『ちょうむすび』企画者の奈緒弥です。
このたびは、当企画を最後までご視聴いただき、誠にありがとうございました。
数ある企画作品の中、『ちょうむすび』を聴き、このあとがきにまで目を通して頂けること、心より感謝いたします。

さて、この「あとがき」ですが、
本編のネタバレを含みます。
まだ本編を最後まで聴いていない、これから聴く予定であるという方が読むのはオススメしません。
あらかじめご了承くださいませ。




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改めまして、この作品を聴いてくださったこと、心より感謝いたします。
久しぶりの長期企画でしたが、スタッフの皆様、そして聴いてくださっている皆様のおかげで
無事完成まで辿りつけました。本当にありがとうございます。

優しいお話が書きたくて、この『ちょうむすび』を書きました。
私の他の作品を聴いたことのある方はなんとなく分かるかと思いますが、私は普段、とても暗いお話ばかり作っています。
そういうのも楽しいけれど、でも、たまには、聴いた後に心が温まるような、そんなお話を書きたい、と思いました。
切ないけれど、でも暖かくて、優しい。大切な居場所のようなお話がつくりたいな、と。

そんなことを言っておきながら、最後に那美ちゃんが死んでしまいました。
どうせならみんなで仲良く生きていく終わり方が良かった、と言われても仕方がないと思っています。
恐らく聴いてくださった皆様には、那美ちゃんが何故死ぬのか、とか、那美ちゃんや他のキャラクターたちの
立ち位置とか がさっぱり分からなかったかと思います。
すべて説明しても良かったのですが、説明をいれるとまったく面白くなくなってしまったのと、
「人間である紗枝ちゃんに理解できることではない」という理由により、説明を一切省くことにしました。
何よりも、複雑さのないただ単純な「トモダチ」の物語を書きたかった、というのが一番の理由です。
「トモダチ」に対する残酷な仕打ち、信頼、愛情。それらすべてを描けた、と思うので、私は満足です。
それに、さすがに那美になんのお咎めもなしで仲良しこよし平和に暮らすのはご都合主義すぎて嫌だな、と思ったので……。

紗枝ちゃんは最初、ひとりぼっちでした。
でも那美ちゃんに出会い、ふたりぼっちになりました。
それから薙たちに出会い、もう「独り」ではなくなりました。
人と出会うということは、楽しいだけ、幸せなだけ、ではないかもしれないけれど、やっぱり特別なことだと思います。
私も、この作品を通して様々な方と出会い、仲良くなれました。
気づいたら、この作品をつくっていくのが本当に本当に楽しくなっていて(もちろん作品作りは元々楽しいのですが)、
私にとって、思い入れ深い、かけがえのないものになっていました。
こうやって終わってしまうのが本当に寂しくて寂しくて仕方がありません。
それでも、この作品がめぐり合わせてくださった皆様とのご縁はきっと切れないものだと信じたいです。
未熟者ゆえ、ご迷惑をかけたこともあったかもしれませんが、
ここまでずっとこの作品を支えてくださって本当にありがとうございました。
心から感謝申し上げます。

最後に、作品を聴いてくださったみなさまへ。
最初の方にも書きましたが、数ある作品の中からこのお話を選び、聴いてくださったこと、本当に感謝いたします。
少しでも、皆様に楽しんでいただけていれば、私はそれだけで幸せです。

では、皆様。
今まで本当にありがとうございました。
またどこかでお会いできること、心から楽しみにしております。

2015/01/25 奈緒弥 拝